2017年2月9日木曜日

折口信夫著 死者の書

彼の人の眠りは、徐かに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。
した した した。耳に伝ふやうに来るのは、水の垂れる音か。たゞ凍りつくやうな暗闇の中で、おのづと睫と睫とが離れて来る。


中学の頃からの愛読書、折口信夫氏の著された「死者の書」の冒頭部分です。僕は、折口信夫氏が好きで、日本国内の書庫のみならず、海外のデポに付設した書斎にも、中央公論社版の全集を全て持参しています。
この小説の主人公、大津皇子は、僕が心惹かれる、天武天皇様の皇子です。
合掌。




 中央公論社版 折口信夫全集 第二十七巻所収

 中央公論社版 折口信夫全集 第二十七巻所収

 中央公論社版 折口信夫全集 第二十七巻所収

 中央公論社版 折口信夫全集 第二十七巻所収

 中央公論社版 折口信夫全集 第二十七巻所収

海外のデポに付設した書斎の折口信夫全集

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