2011年11月27日日曜日

双川喜文著 「近世の土地所有制」 「天正の土地改革」

過日、双川喜文氏の仕事に出遭った。眼から鱗が落ちるとはこのことだと思った。後世に残る名著
である。私は、各十冊以上求め、海外のデポにも持参、亦、親しい友人にも贈呈した。
合掌。


近世の土地所有制(新地書房1980年7月10日刊)







天正の土地改革(新地書房1982年12月5日刊)










2011年11月6日日曜日

藤實久美子著 「近世書籍文化論」


初見は書店の棚でした。思わず、手が伸びました。現在、講読中です。読了を前にして記すのは奇異かもしれませんが、良い本です。驚きました。
亦、私は、藤實氏の「武鑑出版と近世社会」に記された「治代普顕記」という書冊名から、古い記憶を呼び起こされたのでした。森鴎外著「渋江抽斎」講読の際、気にはなっていたのですが、己が仕事に忙殺され時が過ぎていました。私は、近々、「治代普顕記」を紐解かねばならぬようです。
合掌。

付記
以下は、藤實久美子氏の著作一覧です。
武鑑出版と近世社会(東洋書林1999年刊)
近世書籍文化論(吉川弘文館2006年刊)
江戸の武家名鑑(吉川弘文館2008年刊)

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V・ゼンコフスキー(Vasilii Vasil'evich Zenkovsky)著「ロシヤ思想家とヨーロッパ(Russian Thinkers and Europe)」をご紹介申し上げます。本書には、私が青年時代より最も身近に感じて参ったコンスタンチン・レオンチェフ(Константин Леонтьев)に関する論考も収録されています。本書の著者は、大部のロシヤ哲学史(History of Russian Philosophy)も執筆しており、時間が許せば、本書も紐解かれると宜しいかと存じます。二著共に邦訳が存在いたします。
同じくYMCA PRESSから刊行されたニコライ・ベルジャーエフ(N. A. Berdyaev)のロシヤ的理念(The Russian Idea)も良書かと存じます。邦訳名は「ロシヤ思想史(創文社刊、ペリカン社刊)」。
ロシアは近くて遠い国です。亦、ロシアは、未だ我が国領土を占領した侭、返還することも無い、謂わば、仮想敵国なのです。さすれば、この国の心性を学ぶことは、我が国防衛の為にも重要なことではないでしょうか。然し、日本人が外国研究を行う場合、ともすれば、当該国のエピゴーネンになってしまうきらいがございます。私たちは、是非とも、そうしたことは避け、我が国存続の為に近隣諸国を学ぶという態度を堅守したいものです。
付記しなくてはならないことがございます。先に記した著者達は、ロシア革命の際、国外追放、或いは亡命を余儀なくされた人々です。実は、私が青年時代、近しく感じたロシアの思索者は、その殆どが、共産主義者により殺戮されたか国外に亡命を余儀なくされています。よって、今日ご紹介申し上げました書冊に記されているような考えを持った人々は、現在のロシアでは皆無とは申しませんが、未だ極少数しか存在しないのです。ただし、国外に住む亡命ロシア人たち(共産主義を良しとしなかった人々)の中では、こうした考えはそれなりの影響力を持っています。今後、こうした考えが、ロシア本国の人心の中にも浸透していけば、この仮想敵国も、いま少しは安心できる隣邦になるかと思うのです。
合掌。

付記
この拙文は、過日、別のブログに記したものです。本日、本ブログの準備にあたって、転載致しました。
合掌。