2016年8月17日水曜日

鷲巣繁男著 呪法と変容




鷲巣繁男著「呪法と変容(竹内書店1972)」、お気に入りの書冊です。学部の学生の頃、神田の古書店街を歩いていたら、この本が店頭に山積みになっていました。出版社の不良在庫として放出されていたのです。どんなに良い本も、売れないと、見切り販売されるのです。僕は、この本を紐解いて、その尋常じゃない内容に心惹かれました。幾ら安いとはいえ、二十冊買う馬鹿がいるか、僕はその馬鹿になり、数多の友人にプレゼントしたのでした。懐かしい本です。

合掌。

追記

神田の書店街を歩いていると、古書店、新刊書店とは別に、ぞっき本(見切り本)屋の存在に気付きます。ここでは、既に、古書価格が定価の数倍になっている書籍等も含め、良書が、定価の数割で売られているのです。著者も編輯者も出版社も、書籍の作成までは必死に頑張るのですが、経済の為、その後のお守りが出来なくなってしまった本が、こうした時空間に出現するのでした。換言すれば、見たことも無いような書籍が、新たな生を得ようと、読者を待っている場でもあります。この呪法と変容は、そうした書冊の一つでした。
自らも出版人として生きて参った僕の任務は、書籍の命、そして名誉を守りぬくことです。
合掌。

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