2013年12月27日金曜日

譯常山紀談 (訳常山紀談)

本書「譯常山紀談」は、湯浅常山(1708-1781年、備前岡山の池田候に仕えた江戸中期の学者)の著した名著「常山紀談」の漢訳本である。漢訳は、今日では殆ど行われることのなくなった作業であるが、嘗ての我が国知識人に於ては、必須の学問であった。
訳者の岡松甕谷(1820-1895年)は、原著者の湯浅常山より遅れること四十年、豊後の高田に生まれた。
名は辰、初め辰五郎、字は君盈。生地の高田が肥後藩領であった為、長じて細川候に仕えた。維新後は、昌平黌教授、女子高等師範教授等を歴任、学士院会員に列せられた。
主要な著作としては、本書、訳常山紀談の他に、甕谷遺稿、楚辞考、初学文範、荘子考、先聖事跡考、紹成講義、西客問答、訳文彙編、窮理解環が知られている。
本書の刊行は、訳者の三男、岡松参太郎氏(1871-1921年)の尽力による。刊行の経緯等詳細は、第一巻 冒頭に収録された緒言等を参照されたい。刊行は二百部限定で、私の所蔵本には、発行者、岡松参太郎氏の贈呈状が添付されている。
テキストは、和装仕立て。漢訳本十冊、附録一冊の都合十一冊より構成されており、専用の帙に収められている。法量は、全冊、縦23.0cm、横15.4cm。表紙には、薄茶の厚紙が使用されている。
合掌。

















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